変色歯をきれいに(ジルコニアオールセラミックとラミネートベニア)

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歯の神経を残して最小限の切削で治療しました

患者さんは変色歯をきれいにしたいと望んでおられました。

歯の変色には先天的なもの(歯が作られる時点で変色の原因があるもの)と後天的なもの(コーヒーや赤ワインなどによる着色など)がありますが、この方は先天的な変色歯でした。

後天的なものであればホワイトニングなどで歯の色調が改善可能な場合がありますが、先天的なものでは歯の構造に問題があったり、内面の象牙質という部分が変色していることが多く、審美的な改善には歯の切削とセラミックやジルコニアなどの人工物による修復が必要となります。

この方の場合は歯の象牙質の変色があり、長年の歯ぎしりによる重度の磨耗、歯肉が痩せて歯が長くなっており、また、歯の位置の不整もありました。

歯の長さの改善には歯肉移植が、歯の位置の改善には矯正治療が必要でしたが、どちらも希望されませんでした。

その為、限られた中でできるだけ自然な色調で、できるだけバランスの取れた形態を模索する必要がありました。

歯肉移植で歯の長さを改善した実例はこちら①→http://www.nambu-dental-clinic.jp/news/cosmetic/482/

②→http://www.nambu-dental-clinic.jp/news/periodontal/426/

審美歯科材料に求められる材質と歯の削除量とは

一般的に、歯を削った分だけ修復材の厚みとなり、修復材の強度や透過性によって必要な厚みが異なる為、当院ではどの材料で修復するかにより歯を削る量をコントロールしております。

象牙質の変色がある場合、歯を削るとより色が濃くなってしまう為、歯の色を透過しない材質や厚みのある材質を使う事が必要ですが、歯を削る量が足らずに修復材の厚みが薄いと、これを無理に打ち消す材料を使用せざるを得ない為、透明感の無い不自然な白さになってしまいま。ですが、厚みを取るためには歯を大きく削る必要があり、神経がある歯の場合は神経がダメになってしまう可能性があります。

一般的に、ジルコニアオールセラミックなどの被せ物とセラミックのラミネートベニアが選択肢となりますが、ラミネートベニアは歯を削る量が少ないメリットがある一方で、薄いと元々の歯の色を透過してしまうデメリットがあります。ジルコニアオールセラミックはラミネートベニアよりは歯を削る量が多いというデメリットはありますが、強度があり、透過度が色々あるジルコニアを使用する為、従来のセラミックよりも歯の削除量が少なく、歯の元々の色調を透過せずに、審美的に仕上げる事が可能です。

 

ただ白い歯を入れる事が審美歯科治療ではありません

ですが、この方の場合、長年の食いしばりによる歯の磨耗により、ジルコニアオールセラミックの切削量でも歯の神経を残す事が無理でした。ですが、ラミネートベニアでは元々の歯の色を透過してしまう恐れがありました

この様に、歯だけを見ると神経を取るという選択肢になってしまいますが、唇との間のスペースや上唇の張り具合、会話時、笑った時などの歯の見え方を診査する事で、歯をあまり削らずに厚みのあるラミネートベニアを入れる事により、今よりも歯を前に出すことが可能であり、神経を残す事が可能であると診断することができました。

この診断を元に考えた形態を樹脂製の仮歯で製作し、患者さんにつけてもらう事で色調や歯の形態等を実際の日常生活で不具合が無いか確かめてもらいました。

真ん中の2本は来院時にすでに神経が無かった為、この部位に関してはジルコニアオールセラミックにて、他の歯は試した仮歯を参考にして歯の表面を部分的にわずかに削り、セラミックのラミネートベニアにて修復しました。

矯正治療や歯肉移植は希望されなかった為に歯の長さや向きは完璧ではありませんが、新たに神経を失う事もなく、患者さんには大変満足していただけました。

神経が残っている事は今後の歯の寿命にとって大きくプラスに働くと考えられます。

一見、変色している歯を削って白い歯を入れただけに見える治療においても当院の審美歯科治療(自費治療)では、患者さんの要望とそれぞれの治療法の利点欠点、また、歯だけではなくその機能時の状態や唇との関係など、多方面からの診査を元に治療計画を考えております。これは歯科医院によって差が出る部分だと考えます。

 

 

院長 南部 洋郎(なんぶ ひろお) 

大阪大学 歯学部卒

(公社)日本口腔インプラント学会認定 口腔インプラント専門医

所属歯科医師数が日本で最大の歯科医学会の正式な専門資格です。インプラントを扱う歯科医師は多いですが、この資格を持つ歯科医師は全国の歯科医師総数の2%未満です。知識や技術はもちろん、数々の条件、試験の中で、他の専門医から見て、他の歯科治療全般を含め、妥当なインプラント治療ができているかどうかを実際の治療例で試されます。

詳しくはこちら→https://min-implant.jp/doctor/#pref25

南部(なんぶ)歯科医院

地下鉄烏丸線「北山」駅下車東へ徒歩5分。

無料駐車場5台完備。

075-202-4028

ご予約→http://www.nambu-dental-clinic.jp/contact/

 

参考費用:ジルコニアオールセラミック15万円(税抜)/本

     ラミネートベニア9万円(税抜)/本

 

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